【円形校舎物語2】 創立者が倉吉出身 金城高校(現 遊学館高校) S30~H21

195303 金城高等学校<遊学館高校>1 金沢市(坂本鹿名夫)

坂本鹿名夫は、大成建設在職時の昭和27年(設計の完成は昭和28年)に、金沢の金城高等学校(現 遊学館高等学校)で円形校舎を提案しました。
坂本の提案は、円形校舎2棟を体育館をはさんで連結する案(眼鏡型)だったのですが、実現したのは円形校舎1棟だけで、設計者の思いが受け入れらない不本意な結果に終わり、そのことが原因で大成建設から独立したようです。
金城高校の円形校舎は延べ床面積1569平方メートルの鉄筋コンクリート4階建ての円筒形の校舎です。
一期工事が終了したのが昭和29年の秋で、全工事が完成したのが昭和30年の9月でした。
残念ながらこの校舎も平成21年度に解体されました。

この学校の創立者の加藤広吉は倉吉市の出身です。
広吉は慶応2年(1866年)4月、倉吉市中河原の小原善三郎の次男として生まれ、金沢で妻となる加藤せむと出会い、結婚して加藤家の養子となりました。
明治37年(1904年)、広吉とせむは女子教育の向上を図るために金城遊学館を創設しましたが、その2年後、広吉が病気で死去、妻せむが遺志を継ぎ、苦労して現在の礎を築きました。

明倫小学校で円形校舎を採用したのも、何かの縁があったのかもしれません。

金城高校 加藤広吉   金城高校 加藤せむ
(左)加藤広吉  (右)加藤せむ

【円形校舎物語1】 日本最初の円形校舎 山崎学園富士見中学校 S29~S58

195401 山崎学園第1期1 東京都(坂本鹿名夫)
<練馬区HP「第23話富士見の円形校舎」より>

坂本鹿名夫は昭和30年から40年にかけて全国で100棟以上の円形校舎を設計していますが、その“実質”第1作目が、東京都練馬区の山崎学園富士見中学校の円形校舎です。

実は、坂本はこの円形校舎の前の昭和28年に金沢の金城高校で円形校舎を設計しています。
しかし、設計者の思いが施工に反映されず不本意だったため、独立して最初に手がけたこの円形校舎を坂本自身は実質的な第1作目としています。

昭和29年12月に完成しました。
直径27mの円筒型の3階建てで、各階には扇形の教室が5つずつあり、屋上にはガラス張りのペントハウスもありました。
世界でも例がない珍しい校舎建築として新聞各社が大々的に報じました。

これが坂本の円形校舎の原点であり、写真を見てもわかるように昭和30年の倉吉市の旧明倫小学校の円形校舎はこれとそっくりです。

残念ながら、昭和58年に解体されました。

こんな意見が寄せられています (5)

保存活用を望む会を立ち上げてから、いろいろと示唆に富む意見やメッセージをいただいてますので、一部抜粋して紹介させてもらいます。

第5弾です。

費用面で使える可能性がある助成金として私の方で思いつくのは、鳥取県市町村交付金の他、個別の助成金は次のとおりです。

  • 国土交通省の空き家再生等推進事業(県庁生活環境部住宅政策課が窓口)空き家再生等推進事業は、内容によっては内部の改修のみではなく、耐震改修もみてもらえる可能性があるようです。
    http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000011.html

  • 国土交通省の街なみ環境整備事業(県庁生活環境部景観まちづくり課が窓口)街なみ環境整備事業は、円形校舎が景観重要建造物(景観法関連)に指定された場合には、耐震改修と内部の改修ともに助成対象となります。ただ、現在、街なみ環境整備事業の整備区域に入っていないようですので、これを使う場合には、まず整備区域を広げる必要があります。
    http://www.pref.tottori.lg.jp/47550.htm

いずれにせよ、長期的な活用方針が必要となり、事業主体が市となるので、NPO法人等の市民活動団体が中心となり、活用計画を立案して、市と保存に向けた協議を進めるのがよいように思います。

よく御存じかと思いますが、国府町立成器小学校の取り組み等が参考になりませんでしょうか。
地域住民を巻き込んで運営を行っており、アトリエや喫茶店など地域の方々の活動拠点になっているようです。

こんな意見が寄せられています (4)

保存活用を望む会を立ち上げてから、いろいろと示唆に富む意見やメッセージをいただいてますので、一部抜粋して紹介させてもらいます。

第4弾です。

やはり耐震工事費の大きさは、市が責任を持つ学校建築としての 見積もりで、その条件を変えれば大きく金額も下がるのではないか、 極端な話、市が校舎だけでも民間等に譲れば(市の所有でなくなれば 耐震補強の責任もなくなる)いいのかもということです。 他の方もいってましたが、やはり使い道に応じてこうした選択肢を使 うということになりますね。

こんな意見が寄せられています(3)

保存活用を望む会を立ち上げてから、いろいろと示唆に富む意見やメッセージをいただいてますので、一部抜粋して紹介させてもらいます。

第3弾です。

建築集団の仲間で、保存活動などに積極的に参加しようと、メールを回しているところです。
鳥取市の五臓圓ビルは経済産業省の市街地活性化の補助事業を使い、残りを所有者の建設協力金、募金活動で実施しております。 今すぐに何か使えそうなものは浮かびません。
何をそこでするかによってヒントが出てくるように思います。
とりあえずの回答です。
思いついたら、また連絡をします。
ただ、学校を使ったイベント、説明会など盛り上げが必要なことはいうまでもありません。