超人の登場も時空を超えた展開もありません。ここではただ日々生きて行くために、家族を必要とし必要とされた、何処にでもいそうな完璧ではない人間たちが少しずつ何かに気付いて成長して行くという非常に「ツマラナイ」世界が描かれているのです。 結局四姉妹全員結婚して子ども産んで〜という結末なのもなんだかなぁ…という感じです。結局昔からの“女性の幸せ”をなぞる形なんだなぁと。もちろん作者がそう描きたいと思った訳ですから仕方ないですが。今の時代そろいもそろって結婚出産する必要はないのでは?と思ってしまいましたね。よくある内容になってしまったので、ちょっと残念ですね。, 仰るとおり、たしかにあの母親は親というかひとりの大人としてちょっと未熟なところはあるし、実際にそのせいで苦労してきた娘たちがそういうところに罵倒というか不満を言いたくなる気持ちはもっともなんですが、あまりにも父親への対応や見解に差があり過ぎですよね…亡くなっていることに加えて父親を慕っていたすずへの気遣いというのもあるのでしょうが、あまりに聖域化しすぎではないかと。実際は、すずも含めた姉妹たちの抱える問題というのは母親よりも父親の影響や責任がはるかに大きいはずで、だからこそ、むしろそちらにきっちり切り込んで総括すべきだったと思うのですが。, 正直なところ、姉妹たちとりわけ祖母にそっくりという幸の態度を見ていると、まさにあの母親がああいう性質になってしまった原因そして元凶というのがおおかた推測できてしまうんですよね。本来はもっとその辺りに切り込んで欲しかったし、母親の問題に限らず、もう少し客観的だったり別の視点や立場から意見や行動をしてくれるキャラがいればよかったのですが、当初はわりあいそういう役回りだったはずの佳乃や大叔母さんも話が進むにつれて揃って結局みな幸やすずと似たり寄ったりの言動で援護や同調してるように見えてしまって、かえって感情移入しにくくなってしまったところがあります。そろって作者の思想や感情の代弁者たちとそれにそぐわない言動をやらかすエネミーたちというキャラの二極化を後半になるほど感じました。, あと、アフロ店長や幸の不倫相手などの描き方などを見ても、姉妹たちの父親に限らず『海街』では総じて男性とりわけ『父親』に甘く、片や『母親』の描き方があまりに辛辣で悪意がありすぎる。姉妹たちをはじめ周囲の家庭で起こる問題や不幸は、それぞれ差はあれどもどれも駄目な「母親」が元凶もしくは責任が重く、一方で「父親」は失敗や落ち度はあっても根は優しい善意の人、という扱いです。こう見ると単に作者がファザコンを拗らせているだけなのではないかという懸念が……本来は実績もキャリアも素晴らしい方なのだから、むしろ作者の方にもう少し別の切り口や視野があってもよいのではと僭越ながら思います。, >結局四姉妹全員結婚して子ども産んで〜という結末なのもなんだかなぁ…という感じです。結局昔からの“女性の幸せ”をなぞる形なんだなぁ, 作中で明解に結婚が明言されているのは千佳とすずだけでは。しかし『海街』にはここではもう言及しないつもりだったのですが、やはり番外編含めて思うところがあったのでやっぱり書いておこうかな、と思いました。, 最近はほとんど『おそ松さん』関連の記事しか書いていませんが、基本は漫画・アニメ・小説などの感想や時事に関する見解を掲載しています。, 【感想・批評】吉田秋生『海街diary』への違和感ふたたび —不在の脅威、真の元凶—, 【感想・批評】野原広子『離婚してもいいですか?』—「幸せ」は決して向こうからはやって来てくれない—, 【感想・批評】『おそ松さん』の二つの「事変」松野一松編 —分身殺しの挫折そして救済—, 【感想・批評】『響け!ユーフォニアム』吉川優子の慟哭 —それでも私は「愛」を叫ぶ—. 吉田秋生先生の大ファンで彼女のエッセイ漫画やインタビューなども読んできたので、アマノイワト様の他の方へのコメント返信の――, ================  そして母親への罵倒?は愛情があるから言えることだと思います。そして娘も大人になるにつれ、その頃の母親の気持ちをわかり始める。それは母娘だから女同士だから、理解できることもあるし、だからこそ許せないことも。でも、心から憎んでいるのではないからこそ母とのやりとりがあるのだと。 吉田秋生『海街diary』について、以前こちらの記事でいろいろと思うところ(というかほとんど手前勝手な愚痴)を書いていたりして、それに対しては大変貴重な忌憚ないご意見もいただいた。 【感想・批評】「正義エイリアン」への恐怖 —吉田秋生『海街diary』への違和感— 映画の雰囲気同様、やさしい感想が多いです。, 『海街diary』好きすぎた いっけん、それぞれ欠点や弱さを持つ人間として親や家族を許そう、受け入れようというようなメッセージやストーリーを語っていても、それを描いているはずの他ならぬ作者本人が自分の母親をいまだ一番許せていない、「母の犠牲になった子供」である自分を昇華できていないのだなあ、と私も思いました。 /. © 2020 みぎいろ! All rights reserved. という違和感もあり、そしてすずと継母以外の関係性の中で1番強烈な印象を受けました。 気付いたことがありまして、視野が拡がりましたので、つい筆を執っています。(パソコンですがw), ============== こういう作品を長年に渡って連載した出版社の懐の深さに乾杯してもいいでしょう。, >超人の登場も時空を超えた展開もありません。ここではただ日々生きて行くために、家族を必要とし必要とされた、何処にでもいそうな完璧ではない人間たちが少しずつ何かに気付いて成長して行くという非常に「ツマラナイ」世界が描かれているのです。, これについてはまったく仰るとおりです。私としてもやはり基本はそのような印象のもとにこの物語に親しんでいたし、また楽しみたかったのですが、だからこそ、この記事などに述べたような(作者の価値観やスタンスに対する)違和感がどうしても気になってしまうのです。, 現実世界のごく「普通」の「ありきたりな」人々どうしが作り上げ住む世界の中で繰り広げられる、姉妹たちとそのゆかりの人々たちの成長や愛情が多くの読者を魅了したのは間違いありませんが、私などはまさにそうした一見「ありきたり」な人々が信じてやまない「ツマラナイ日常」や世界や愛情から(作者により)スポイルされた存在、またはそのような(作者からの)扱いの方がどうしてもトラウマ的に気になってしまいます。たとえば最近の話題作である『ど根性ガエルの娘』などはそうした「ツマラナイ日常」に拘泥する「ありきたりな」人々の歪みと、その「ツマラナイ」日常を守るためのスケープゴートにされた側の異議申し立てを描いています。, それこそ、『BANANA FISH』などのハードボイルドやSFテイストの吉田秋生の過去作品ではまさに「ありきたり」になれない、ツマラナイけど平和な日常や愛情から疎外されたり排除された人々の心情や苦悩にもスポットをきっちり当てて描いていたはずなのですが。, 私もこの海街diaryの世界での『母親』の描かれ方には(あらま…可哀想に)と思いながら1巻から読んできました。 「三度目の殺人」、「海よりもまだ深く」、「そして父になる」、「空気人形」、「万引き家族」、「真実」などでお馴染みの良作ばかり作り続ける是枝佑和監督の大失敗作にして、がっかりさせられる映画。28点(100点満点)海街diaryのあらすじ鎌倉で 三姉妹の母親は『元からまともな期待も尊敬もされていない』のではなく、『子供というものは、母親には無条件に膨大な期待と尊敬を持っている』のだと思うのです。 アマノイワト様は、彼女たちの父親は『許され続けている』と書いておりますが、私にはそうは思えませんでした。 親を筆頭に大人のエゴや弱さの犠牲になった(元)子供たちの再生と成長がこの物語の大きなテーマなわけですが、正直なところ、すずはじめ姉妹たちの「可哀想な子」ぶりを強調したいあまりに、ことさらに母親のダメっぷりを強調するようなエピソードを唐突に重ねてくるところに、ストーリー上の必然性を超えた作者の作為そして悪意を感じてしまいますね。こちらはこちらで、どうもあの姉妹(と大叔母)はあの母親を体のよい共通の感情のサンドバッグに仕立てて(無自覚に)結束を保っているのでは…といった悪意を持って観てしまいます。本来の元凶である父親への態度のあまりの差も加えて。, いっけん、それぞれ欠点や弱さを持つ人間として親や家族を許そう、受け入れようというようなメッセージやストーリーを語っていても、それを描いているはずの他ならぬ作者本人が自分の母親をいまだ一番許せていない、「母の犠牲になった子供」である自分を昇華できていないのだなあ、と私も思いました。, でも、ちょっと、違うかなっと思ったことなのですが、母親に反感を感じているのは長女の幸だけで、次女の佳乃、三女の千佳は、それほどの反感を持っているわけではないのではないでしょうか。佳乃は、祖母の七回忌の法事の前にも、幸に修羅場はごめんだと釘を刺していますし、千佳はむしろ、母親に対して「幻想」さえ抱いている、と表現されています。うちに泊まればいいのに、とさえ言っている。, 確かに、娘の結婚/妊娠のお祝いに、真夏に荒巻鮭を贈ってくる母親という設定は、ある意味、荒唐無稽とも言えるかもしれない。私は、夏にも新巻鮭を手に入れることができるものなのか、っと、その点を不審に思ってしまいましたし、一匹の荒巻鮭を捌くことで、何切れの鮭の切り身ができるものなのか、大家族の友人宅何箇所にもお裾分けできるほどの量なのか、などとも考えたのも事実です。, しかし、ここでも、よっちゃんは笑っているかもしれないけど、母親に対してそれほどの悪意を感じてもいるように見えないし、幸にしたって、自分の尺度とは違うと言って腹を立ててはいても、こういう母親の幼さ(?)を「恥」と言って強く否定しているわけではないように、私には思えました。, だって、そんなに否定するなら、捨てることも、送り返すこともできる。そうではなく、お裾分けをする、それは受け入れることに他ならないと、私には思えました。, このお話は、一番最初、佳乃が自分の家庭を語った時、父親は15年前に、そして母親はその2年後に子供達を後に残して自分の新しい家族を形成するべく去っていき、そののち一度も両親とは会っていない、というようなお話だったように思います。, しかし、母親に関しては、13年間音信不通で一度も顔を合わせていないわけではなく、祖母のお葬式では、幸と母親・都は修羅場を繰り広げた、とされています。音信不通でも一度も会っていないのでもないのです。, 祖母の一周忌や三回忌のお知らせだって出している。なんだ、どこにいるかもわかっている相手なのか、それにしても、互いのつながりを非常に希薄にしている理由はなんなのだろう?と、疑問を感じるのは確かです。, ある意味、祖母が、この3姉妹を囲い込んで母親・都と距離を保たせたのは、都の新しい家族の幸せを思ってのことかもしれない、などと、私は勝手に考えていました。, 最初の設定では、とりあえず両親に捨て去られた子供たちが成長して、半分だけ血の繋がった妹と暮らすことを選択し、そこから家族を形成していくという設定を考えたのが、話を展開していくうちに様々変わっていったのかな、と私は思っています。, そんなふうなドラマチックな設定から、不幸そうな生い立ちの中でも「不幸に見えない」姉妹と設定を変化した理由も、わかりません。, ただ、当初の予定とは、様々変化したお話の展開があったことは確かだなぁ、と思っています。, 確かに、佳乃と千佳は母親に対しては幸ほど反発はしていませんね。佳乃はむしろ母親には割り切って醒めた目で見ているというか「どうでもいい」といった態度ですね(実はいちばん残酷ですよね…)。片や千佳の方は物語の当初からそんな姉たちに同調していて、良くも悪くもそれほど拘りは無いように見えましたが、妊娠発覚後の例の下りで実はいちばん母親に「幻想」を持って慕っていた…ということが幸から唐突に語られたところにも違和感がありました。, むしろ、母親に対しては最初からきっぱり法事にも呼ばず敷居もまたがせない、贈り物も受け取らず突き返す、というように徹底して拒絶していたほうがよほど納得はできるんですよね。千佳の結婚に際しての顔出しにも期待されていないくらいで、しかし贈り物には不平を言うとか、私としては正直理屈があっていないというか、はっきり言って理不尽もいいところだろうと(それが母娘の割り切れない葛藤というものなのでしょうが)。しかし当の娘たちの方から母親に心身ともに距離を置いて「それなり」の扱いや態度しか取っていないのだから、(母親の真意はどうあれ)母親の方の対応が「それなり」になっても文句を言う筋合いはないでしょう。少なくとも私は姉妹たちにはどうにも(作者が意図するような)共感や理解ができませんでした。, 仰るとおり、この物語の当初のテーマの一つは、親を喪った姉妹たちが新たな家族を形成していくことで親たちへの葛藤も昇華していく、というものだったのでしょうが、その辺りは2巻あたりまでで描ききってしまっているはずなんですよね。それが、連載が当初の想定を超えて人気が出て長期化したため、テーマやストーリーにも次第にブレが出てきてしまったのではないでしょうか。, なかなか難しげな解釈をされていますが、この物語にはともに支え合う人間の姿が描かれています。あくまでも漫画ですから多少は突っ込みどころもあるとは思いますが、この姉妹の関係を軸にあまり劇的な展開も無く、登場人物それぞれの背負った「想い」がそんなに絡み合う程度でもなく描かれていて、ある意味その辺の井戸端会議を見聞きしいている様な感じで過ぎて行きます。

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