テナン警察からプルトニウムを強奪したものの、セイター(逆行)がキャットを人質に取った為、止むを得ずプルトニウム241の空箱をセイターに渡し、中身のプルトニウム241を見知らぬ逆行車(後にクラッシュする)に投げ入れます。9. 飛行機衝突まで逆行し、飛行機激突騒動のどさくさに紛れてフリーポート内の回転ドアで順行に戻ります。その際、過去の順行の自分と戦闘になり腕に傷を負います。先ほどの生傷はこの傷が順行したものだったのです。======ここから順行======14. 時間を逆行しキャットに駆け寄ります。危篤状態のキャットを救う為、キャットを逆行させ治療することになりました。11. 特殊工作員としてオペラハウスに紛れ込んだニール。そこで彼は逆行弾を使い、変装を見破られ殺されそうになっている名も無き男を救います。(カバンに付いているストラップが証拠、映画終盤でその事が判明)3. そして、時間を逆行する弾丸を教えられる。未来で生まれた技術のようだが、いつ、誰がどうやって開発したのかは謎。それを探り、第三次世界大戦を防ぐというミッションに男は乗り出すことになり・・・ tenet テネット 70点 時間の逆行. 前提としてニールは数年後の未来から来た未来人です。主人公の命を受け、オペラハウスの爆破テロの前まで逆行してきました。======ここから順行======2. アマルフィで名も無き男と再会。ゴヤの贋作は処分したと伝えられます。安心したキャットは名も無き男をセイターもいるディナーに招待し、名も無き男とセイターを結びつけます。ゴヤの贋作がもう無いと思ったキャットはセイターに対し強気に出ますが、実は贋作はセイターの手元にありました。絶望したキャットは錯乱してセイターを殺そうとしますが、名も無き男がそれを防ぎます。3. ロンドンでクロズビーと会い、セイターの妻であるキャットと近づく為のアイテム(ゴヤの贋作)を受け取ります。5. クリストファー・ノーラン監督の最新作『TENET テネット』(以下TENET)を観ました。ノーラン監督はこれまで『メメント』や『インセプション』、『インターステラー』で時系列の入れ替えや時間の拡張や超越を描いており、いわば時間をテーマとした映画のエキスパートです。今作『TENET』も時間を扱う作品な訳ですが、今作ではこれまでの映画に無かった【時間の逆行】が描かれています。それもただ逆行するのではなく、順行する時間と複雑に絡み合う為、今作は非常に革新的であると同時に物凄く難解な作りとなっています。この映画においては「無知は武器」とされ、主人公も殆ど何も分からないままミッションに参加しており(その点はダンケルクと重なります)、観客にも情報が与えられないまま瞬く間に物語が進んでいく為、初見でその物語を理解するのは恐らく無理ゲーです。(キャストもノーラン監督から渡された脚本を理解出来ず何度も何度も読み直し、質問しまくったそう)ただ一度この作品を観た上で、ルールや設定・世界観を理解して時系列を整理して考えていけば、科学的な知識が無くとも大枠は十分に理解可能です。内容を理解した上で『TENET』を観ると、いかにこの作品が緻密に作り込まれた凄まじい超大作であるかが分かります。間違いなく『 TENET』は二度目の方が面白いです。これは声を大にして言いたい。本noteは既にTENETを観た人に向けて、内容の理解の手助けを目的としたネタバレ・解説記事です。ただし当方は科学的な話には一切明るくない為、〇〇力学といったややこしい話はほぼ省きます。また特に複雑なカーチェイスとラストの大戦シーンは二度目でもかなり混乱してしまい、到底理解しきれていないのであくまで大枠の解説になります。もう一度言いますが『TENET』は二度目の観賞の方が間違いなく面白いです。是非おおよその内容を理解した上で、もう一度劇場に足を運んでみて下さい。一度目で味わえなかった感動がきっとそこにはあるはずです。, まずはこの映画における時間の考え方について説明しましょう。時間とは一方向にしか流れない不可逆性を持ちますが、未来で発明された''回転ドア''のような装置により時間の流れに逆行する事が可能になりました。(エントロピーを減少させる事で時間の逆行を可能にする、という仕組みですが上述の通り難しい話は無しにします。わからんので。)但し時間を逆行出来るのはその回転ドアに入れる人や武器のみで、逆行できるのもドアに入った時間・地点から、というかなり使い勝手の悪い仕組みです。なので好きな時間を行き来できるタイム・トラベルとは異なります。流れるプールで自分だけUターンして逆方向に泳ぐようなイメージですね。当然本来ある時間の流れに逆らっている為、【そのままでは呼吸できない】【生身で過去の自分と触れると対消滅してしまう】というような不具合も発生してくる訳ですが、因果関係も逆になる(先に結果があって原因が起こる)ので望ましい結果になるよう過去の自分や仲間を導くなんて使い方が出来ます。これを劇中では過去と未来で現在を挟み撃ちにする''挟撃作戦''と呼んでいます。, TENETのストーリーをもの凄く簡単に言うと「現代人vs未来人の戦争」を描いた映画です。劇中ではそれを第三次世界大戦と言っていましたね。ただし、この劇中には未来人は出てきません。なぜなら上述の通りこの作品で可能なのはタイムトラベルではなく時間の逆行である為です。未来人のいる世界が仮に100年後であるなら、未来人が現代まで逆行するのにも100年掛かってしまいます。現代に辿り着く頃には老衰で戦争どころではありません。なので未来人は、自分たちの代理として今作の悪役である【セイター】を利用して戦争を起こそうとしています。また、映画の終盤で未来人と戦う組織【TENET】も実は近い未来の主人公が結成したものと言う事が判明します。つまり、上でこの映画を「現代人vs未来人の戦争」と述べましたが、実際劇中で起こるのは「主人公軍団(近未来の自分の代理)vsセイター軍団(未来人の代理)の戦争」という壮大な代理戦争という訳ですね。, 未来人が欲しいもの、それは正常な地球環境です。未来人が生きる遠い未来の地球は、環境破壊により破滅間近の状態にあるようです。ノーラン監督の過去作『インターステラー』で人類は滅びゆく地球から逃れる為宇宙に活路を見出しましたが、TENETの未来人は時間を逆行する技術を使い過去の地球に逃げようと画策します。但し、上で説明したように時間を逆行すると呼吸が出来なくなるなどのデメリットが大きい為そのままでは当然生活は出来ません。そこで未来人はそもそもの時間の流れを逆にすることで、自分たちが逆行してもそれが順行になるよう世界を変えようとします。その時間の流れを変える為に必要な装置が、とある未来の科学者が発明した9つの部品で構成される【アルゴリズム】です。ただそのアルゴリズムを起動してしまうと過去の時間の流れが変わってしまう為、過去の人類は呼吸出来なくなりあっという間に死滅してしまいます。過去の人類が滅亡するとその子孫である自分たちも滅亡してしまう(これが劇中で語られる【祖父殺しのパラドックス】です)と考えたその未来の科学者は絶望し自殺、アルゴリズムを悪用されないように分解した上で時間の逆行を使い過去の世界に封印しました。(その分解された部品の一つが今作のキーアイテムとなる【プルトニウム241】です。)しかし未来人たちの住む地球は崩壊目前。ウダウダと考えている余裕はありません。未来人は過去の人類が死んでも自分たちは生き残るかもしれないという可能性に賭け、『祖父殺しのパラドックスなど知るか!』とセイターを操り過去の世界に封印されたアルゴリズムを起動しようと目論みます。, そもそもTENETとは何なのか?実際劇中でその部分については殆ど語られていません。TENETは主に集団における信条、主義、原則を表す単語です。そしてこの劇中では「世界を守る」という信条を基に集った未来人と戦う組織=【TENET】と私は理解しました。TENETという言葉自体はラテン語の回文【SATOR AREPO TENET OPERA ROTAS(農夫のアレポ氏は馬鋤きを曳いて仕事をする)】から来ており、劇中にはその回文のTENET以外の単語も登場しています。, またTENETはTEN(10)という言葉を前後から繋ぎ合わせた言葉です。そう、観た人はお気づきだと思いますがこれは作品のクライマックスである【過去と未来の10分間の挟撃作成】をも表している訳です。, 『TENET』を複雑している理由の一つが妙に多い登場人物です。どういうポジションなのかあまり説明がないままフェードアウトしたりするので初回はその辺りも混乱するかと思います。(この役本当に必要か?みたいな役があるもの話をややこしくしています。クロズビーとか。)ということで以下に最終的に判明した主要人物の相関図を作りました。こうやって纏めるとプリヤの最期は理不尽ですね。, そして主要人物の概要についても軽く説明していきましょう。名も無き男・・・本作の主人公には名前がありません。彼は世界を股にかけて活躍するCIAのスパイでしたが、今作冒頭のオペラハウス襲撃事件で敵に捕まり拷問の末自殺を測ります。それがTENETに認められ世界を救うミッションを与えられる訳ですが、今作のラストで未来の彼こそがTENETを創設した組織のボスであるという事が分かります。, ニール・・・名も無き男のパートナーであり、本作におけるもう一人の主人公です。その正体はTENETのボスである未来の名も無き男から指令を受け過去にやってきたエージェントでした。映画の終盤で10分間の挟撃作戦を実施したTENETですが、じつは数年先の未来から壮大な挟撃作戦は始まっていたんですね。ニールの口ぶりから未来の名も無き男と非常に親しかった事が伺えます。名も無き男がダイエット・コーラが好きと知っていたのもその為です。口癖は「起きたことは仕方がない」、因果関係が逆さの世界で戦ってきた彼だからこその台詞です。そしてラストで彼は最終的に名も無き男を守る為に命を落とす事が分かります。それを知ってても尚過去に戻りゆくニールが名も無き男に言った「これが美しい友情の終わりだな」という台詞が泣かせます。これは不屈の名作【カサブランカ】の有名な台詞、「これが我々の美しい友情の始まりだな(Louis, I think this is the beginning of a beautiful friendship.)」のオマージュです。ニール役のロバート・パティンソンは先日Netflixで公開された『悪魔はいつもそこに』でクソ最低神父を演じてたのに、今作では中身も見た目も格好良い男の中の男を演じます。そのギャップが最高ですね。, セイター・・・本作のヴィラン。滅茶苦茶悪いやつです。故郷はスタルスク12、本作の最終決戦の舞台でもあります。スタルスク12はソ連時代には20万人の人口を有した核施設のあった街です。しかし爆発事故が発生し核弾頭が散乱、国に棄てられスタルスク12は地図から消えた街となってしまいました。10代のセイターはそんな核弾頭が散乱するスタルスク12の廃墟でプルトニウムを集める危険な仕事をしていました。毎日に絶望しながら仕事をしていると、ある時地中からカプセルのような物を見つけます。中には自分に充てた未来からの契約書。恐らく中身は『富と力を与える代わりにアルゴリズムを集めろ』といった内容でしょう。彼は証拠隠滅の為一緒に仕事をしていた同僚も殺害します。そして彼はその後未来から送られてくる金や逆行装置を利用して成り上がり、見事世界の運命を握るフィクサーとなった訳です。本作で彼は余命幾ばくも無い末期の膵臓癌。彼が一番幸せを感じていた瞬間にアルゴリズムを起動する事で全人類を巻き込んだ壮大な自殺をしよう、というのが彼の目的です。迷惑な奴ですね。因みにノーラン曰く、セイターを演じたケネス・ブラナーは根が優しくとても親切な人間なので悪人を演じるのにとても苦労してたそうです。, キャット・・・本作のヒロインです。セイターの妻で息子もいますが、夫婦としての関係性は破綻しています。凶暴で人を傷つけることを厭わないセイターを恐れ、息子と逃げ出したいと考えていますができません。というのも彼女は絵画の鑑定士ですが、彼女と親しいアレポという画家が描いたゴヤの贋作を本物として900万ドルで売りに出してしまいます。そしてそれを購入したのは夫のセイター。セイターがそれを偽物だとして通報すればキャットは重い詐欺罪で逮捕されていまいます。逮捕されたら息子と会うことすら出来なくなるので、キャットは大人しくしている他ありません。それ故、名も無き男からゴヤの贋作を始末したと聞いた時心から嬉しかったでしょうに、それが嘘だと分かった時の絶望は想像にも及びません。今作で一番悲壮で、かつ逞しい役柄です。母は強し、ですね。因みにアレポと恋仲であったかどうかの真偽は不明です(本人は否定していましたが)。キャット曰くアレポは『外に出れず、メールも出来ない状態』と言っていましたが、セイターから想像を絶する仕打ちを受けているのかもしれませんね...。(首に穴を開けられてちょん切ったタマをブチ込まれたり...ヒエ〜...), まず、逆行の前提としない単純な時間の流れを整理しましょう。単純な時間の流れで大きな出来事を並べたタイムラインが以下の通りです。映画の始まりであるオペラハウス襲撃と、映画終盤のベトナムのボート上のシーン及びスタルスク12の戦争シーンは実は同タイミングで起こっています。そして映画の進行通り時間は進んでいき、この映画における先端となる時間がキャットがセイターに撃たれたシーンとなります。キャットが撃たれたシーンを軸に主人公も逆行を使い、この映画の時間も逆方向に動いていきます。, 次に主人公である名も無き男のタイムラインを見てみましょう。名も無き男のタイムラインに沿ってこの映画は進んでいきますので、つまりは映画『TENET』のタイムラインと言っても差し違いないでしょう。劇中のルールに則って、赤矢印(上半分)は順行、青矢印(下半分)は逆行を表しています。矢印に付随している番号に沿って起こった出来事のあらすじを説明していきます。, 1. 意味:持つ、維持する、含む、所有する、保存する. TENETの応援を呼んだことから、名も無き男にニールは初めから TENETの人間だったと気付かれます。7. 名も無き男と出会い、ゴヤの贋作でセイターに脅されている事を明らかにします。2. 目を覚ますと救出されており、キャット・ニールと共にコンテナの中にいました。キャット治療のためオスロの飛行機衝突まで逆行し、そこで再度順行に戻ることを画策します。(追突事故の後は警備が厳しくなる為侵入が困難)名も無き男は腕に覚えのない生傷があることに気づきます。13. もはや言うまでもなく、カギを握るのは〈時間の逆行〉だ。これがなぜ発生し、なんのために行われるのかがストーリーのカギとなっている。 『tenet テネット』は、ノーラン史上初めて有色人種のキャラクターを主人公に据えた作品なのだ。 3. まず逆行銃で現行キャットを撃ちます。その後名も無き男から嘘の情報(プルトニウム241の在り処)を得ますが、挟撃作戦で予めその情報を過去に伝えることでそれが嘘の情報であること、本当のプルトニウムの在り処(=クラッシュする逆行車の中)を知ります。その後キャット(キャットは順行なので銃で撃たれる前に戻っている)を連れ出し順行の名も無き男とカーチェイスします。その後キャットを置き去りに仲間の車に移り、逆行の名も無き男からプルトニウム241を奪い、クラッシュした車に火をつけます。最後のアルゴリズムを揃えたセイターはそのまま過去のベトナム湾まで逆行します。======ここから順行======4. セイターが膵臓癌で余命わずかな事を明かし、アルゴリズムの起動がベトナム湾のボートで行われると確信します。======ここから逆行======6. 再度逆行し、セイターが最後に幸せを感じた日=ベトナム湾のボート上に向かいます。======ここから順行======7. クリストファー・ノーラン監督の最新作『TENET テネット』が2020年9月18日(金)に日本公開を迎えた。『ダークナイト』3部作や『ダンケルク』(2017)などを手がけてきたノーランは、『インセプション』(2010)『インターステラー』(2014)など、難易度の高いSF作品を世に放ってきたことでも知られる。もっとも『TENET テネット』は、“ノーラン史上最も難しい”ともいわれる一作だ。, THE RIVERでは公開を記念して、本作を観る前に、あらかじめ押さえておきたいポイントを網羅した「解読ガイド」をご用意。もちろん楽しみを削がぬよう、ネタバレは一切なしでお届けする。観る前の予習に、あるいは観た後の振り返りに、劇場用パンフレットとともにご活用いただければ幸いである。, 満席の観客で賑わうウクライナのオペラハウスで、テロ事件が勃発した。罪もない人々の大量虐殺を阻止するべく、特殊部隊が館内に突入する。部隊に参加していた名もなき男(ジョン・デイビッド・ワシントン)は、仲間を救うため身代わりとなって捕らえられてしまう。, 昏睡状態から目覚めた男は、フェイと名乗る男から“あるミッション”を命じられる。それは、未来からやってきた敵と戦い、世界を救うというものだった。未来では、〈時間の逆行〉と呼ばれる装置が開発され、人や物が文字通り、未来から過去へと進められるようになっていた。ミッションのキーワードは「TENET(テネット)」。このキーワードを使って、男は第三次世界大戦を防がねばならない。「その言葉の使い方次第で、未来が決まる」──。突如として巨大な任務に巻き込まれた男は、無事に任務を遂行することが出来るのか。, 抜群の身体能力と知力を兼ね備えるCIAエージェント。突如として第三次世界大戦を防ぐという任務を受け、〈時間の逆行〉を駆使して敵と戦わなければならなくなる。, 演じるジョン・デイビッド・ワシントンは、名優デンゼル・ワシントンを父に、女優パウレッタ・ワシントンを母にもつサラブレッド。子役時代に『マルコムX』(1992)などに出演したのち、学生時代からアメリカンフットボール選手として活躍。プロのアスリートとしてのキャリアを築いたのち、2015年から俳優業に本格進出した。代表作はドウェイン・ジョンソン主演ドラマ「ballers / ボーラーズ」(2015-2019)や『ブラック・クランズマン』(2018)。コロナ禍のロックダウン中に撮影された、ゼンデイヤとの共演作『Malcolm & Marie(原題)』を控える(Netflixにて配信予定)。, 第三次世界大戦を止めるというミッションを受けた名もなき男の前に現れ、相棒として、ともに世界を飛び回ることになる人物。名もなき男と同じく、高い身体能力と知力を誇り、そのスキルによって名もなき男を導く。演じるロバート・パティンソンいわく「混沌を愛する男」。, 『ハリー・ポッター』シリーズのセドリック・ディゴリー役、『トワイライト』シリーズのエドワード・カレン役で知られるロバートは、『トワイライト』の完結後、『奪還者』(2014)や『シークレット・オブ・モンスター』(2015)、『ロスト・シティZ 失われた黄金都市』(2016)などに出演。近年は『グッド・タイム』(2017)や『The Lighthouse(原題)』(2019)などで高く評価される。最新作には本作のほか、トム・ホランド主演のNetflix映画『悪魔はいつもそこに』(2020)。DCコミックス原作映画『ザ・バットマン』(2021)では新たなバットマン役に抜擢されるなど、ハリウッドで今もっとも注目される演技者の一人だ。, ロシアの大富豪であるセイターの妻にして、幼い息子を愛する母親。絵画鑑定士であり、ミッションのために名もなき男の接触を受ける。セイターの束縛に苦しんでいるようだが、真なる狙いやいかに。, 演じるエリザベス・デビッキは、幼少期からバレエを身につけ、大学時代から演劇を学んだ。レオナルド・ディカプリオ主演『華麗なるギャツビー』(2013)や『コードネームU.N.C.L.E.』(2015)などで頭角を顕し、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017)『クローバーフィールド:パラドックス』(2018)などに出演。『ロスト・マネー 偽りの報酬』(2018)やドラマ「ナイト・マネジャー」(2016)の演技が評価された。今後はNetflixドラマ「ザ・クラウン」を控えるほか、第二次世界大戦下を舞台とするドラマ「Code Name Hélène(原題)」で主演&製作総指揮を務める。, 〈時間の逆行〉に深く関連する、インドの武器商人の妻。その役目上、名もなき男とは何度も顔を合わせ、彼に示唆を与えていくことになる。, 演じるディンプル・カパディアはインド映画界の名女優で、大ヒット作『ボビー』(1973)に14歳で出演。主にインド国内で多数の映画に出演している。, 名もなき男やニールとともにミッションに挑む、エージェントの一員。クリストファー・ノーラン監督いわく「重要な役どころ」。, 演じるアーロン・テイラー=ジョンソンは、子役時代から活動を開始し、『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』(2009)のジョン・レノン役、『キック・アス』シリーズでブレイク。近年は『GODZILLA ゴジラ』(2014)やマーベル映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)、『ノクターナル・アニマルズ』(2016)などに出演する。『キングスマン』シリーズの最新作『キングスマン:ファースト・エージェント』の公開を2021年2月26日に控える。, 演じるヒメーシュ・パテルは、イギリスの人気ドラマ「EastEnders(原題)」に2007年から2016年まで出演。ダニー・ボイル監督がザ・ビートルズをモチーフに撮った『イエスタデイ』(2019)で主演に抜擢され、フェリシティ・ジョーンズ&エディ・レッドメイン主演『イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり』(2019)に出演した。, 1933年生まれ、俳優として60年以上のキャリアを誇るイギリスの名優。非常に多くの作品に出演しており、『ハンナとその姉妹』(1986)や『サイダーハウス・ルール』(1999)ではアカデミー賞に輝いた。クリストファー・ノーラン監督作品には『バットマン ビギンズ』(2004)以来の全作に出演しており、「ノーランのお守り」を自称している(『ダンケルク』にはノークレジットで声の出演)。ケインの登場シーンは、『TENET テネット』のお楽しみのひとつ。どこでどんなふうに出てくるのか、その役回りとセリフも含めて堪能してほしい。, ロシアの大富豪にして武器商人。そのルーツにも謎をはらむ、過去と未来とを繋ぐブローカーだ。ノーラン監督は極悪人としてセイターのキャラクターを作り上げ、演じたケネス・ブラナーも「人々をダークサイドに追いやるような」人物だと語っている。, ケネスとノーラン監督は、前作『ダンケルク』に続いて早速の再タッグ。ケネスはキャリアの黎明期には劇団ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの一員として数多くの舞台に立ち、『炎のランナー』(1981)で映画デビュー。その後、自身の得意とするシェイクスピア作品を含む多数の映画に出演している。監督としても活躍し、代表作に『マイティ・ソー』(2011)『シンデレラ』(2015)『オリエント急行殺人事件』(2017)など。主演・監督を務める『ナイル殺人事件』の公開を2020年10月23日に控えている。, 作品のタイトルである「TENET」とは、“教義”や“信条”を意味する言葉。名もなき男は、第三次世界大戦を止めるという使命を託された際、フェイ(マーティン・ドノヴァン)という男から、このキーワードを聞かされることになる。その真意は何なのか、そして名もなき男にとっての“信条”とは……。, あらかじめ押さえておきたいのは、「TENET」という言葉が含まれている、“SATOR式”と呼ばれるラテン語の回文だ。「SATOR AREPO TENET OPERA ROTAS(農夫のアレポ氏は馬鋤きを曳いて仕事をする)」という回文は、正方形に並べると、前後だけでなく上下からも同様に読むことができる。「TENET」だけは上下左右どこからでも「TENET」と読めるのだ。ちなみに「TENET」だけでなく、「セイター」「アレポ」「オペラ」「ロータス」という言葉も記憶の片隅にとどめておくと……?, 『TENET テネット』の主演俳優、ジョン・デイビッド・ワシントンは「名もなき男」という役柄を演じている。しかし米国で事前に公開されたあらすじでも「ジョンが演じるのは[中略]新たな主人公(Protagonist)」と記されており、実はこの役名こそがポイントなのである。そもそもノーランの狙いでは、主人公の役名は“主人公(Protagonist)”だ。もちろん、彼が“主人公”という役名であるところにも、それだけの理由はある。, ちなみに余談ながら、これまでノーランの作品で主人公になってきたのは白人男性ばかりだった。『TENET テネット』は、ノーラン史上初めて有色人種のキャラクターを主人公に据えた作品なのだ。, もはや言うまでもなく、カギを握るのは〈時間の逆行〉だ。これがなぜ発生し、なんのために行われるのかがストーリーのカギとなっている。これまで多くの作品で〈時間〉を扱ってきたノーランだが、“逆行”を扱うのは出世作『メメント』(2000)以来。もし時間が許すのであれば、予習がてら『メメント』を観ておくと、きっとノーランの狙いと進化ぶりをストレートに理解できることだろう。, 『インターステラー』で理論物理学者のキップ・ソーンを製作総指揮に招いたノーランは、本作でも再びソーンの助けを得ており、科学的に正確な脚本を目指したという。〈時間の逆行〉のメカニズムは劇中でも語られるが、初見ならばスムーズに理解するのは至難の業かもしれない。その原理や本編との照合、映画ならではのユニークさは、劇場用パンフレットに掲載されている山崎詩郎氏の解説に詳しい。, 名もなき男とニールは、得体の知れない「第三次世界大戦」を止めなければならない。予告編でも語られているように、“未来”で起こるという戦争は「核戦争よりも凄惨」なもの。水面下で何かが起こっていることは“冷戦”とも形容されているが、それら一連の出来事にはロシアの富豪・セイターの存在がある。ネタバレを避ける以上、多くを語ることはできないが、劇中に登場するさまざまなモチーフが、あくまでもフィクショナルに構築されていながら、世界の現代史とゆるやかに重なっている点も掘り下げがいのあるところだ。, 思えばクリストファー・ノーランという映画監督は、“ジャンル映画”というものに敬意を払いながら、それらを脱構築するような作品群を創ってきたフィルムメーカーである。長編デビュー作『フォロウィング』(1998)以来、たびたび繰り返されてきたフィルム・ノワールへのオマージュ。『ダークナイト』3部作で、スーパーヒーロー映画/コミック映画に大胆なまでのリアリティを持ち込んだことは、その後のコミック映画にも大きな影響を与えている。『インセプション』(2010)は『オーシャンズ』シリーズを彷彿とさせる、まさしく正統派の犯罪映画らしい筋立てだ。, ノーランは『TENET テネット』を「クラシックなスパイ映画」だといい、幼少期から親しんでいた“スパイもの”というジャンルを現代に蘇らせようとしている。複雑なコンセプトを取り入れているが、それゆえでもあろう、ストーリー自体はシンプルだ。『007 私を愛したスパイ』(1977)を愛してやまないという監督による、これは『007』『ミッション:インポッシブル』シリーズへの挑戦でもあるだろう。, 公開前には「考えるな、感じろ」というフレーズが躍るスポット映像も話題を呼んだが、このブルース・リーばりの切り口は、そもそも劇中にノーラン自身が織り込んでいるものだ。〈時間の逆行〉について狼狽する名もなき男を前に、科学者のバーバラ(クレマンス・ポエジー)は「理解しようとしないで、感じて」と口にするのである。, 脚本の難解さには俳優陣もそうとう苦戦したようで、出演者たちは何度も読み返し、ジョン・デイビッド・ワシントンは撮影現場でノーランに毎日質問していたことを明かしている。THE RIVERによるインタビューで、ニール役のロバート・パティンソンも「初めて観るときは、分析しようと思わず、湧き上がる思いに身を任せるべき」と語っているのだ。「必死に理解しようとしたり、あるいは逆らったりしなくても、どこか不思議な感覚を覚えるもの」だと。解読ガイドでそれを言ってはおしまい……という気がしないでもないが、意外にも、それこそが正しい理解への最速ルートになってくれるかもしれない。まずは理解できるところからコツコツと、である。, 『TENET テネット』には、人気ラッパーのトラヴィス・スコットが新曲「The Plan」を提供。ノーラン作品のために楽曲が書き下ろされるのは今回が初めてであり、ノーランは「トラヴィスの声が、何年もやってきたパズルの最後のピースとなった」と出来栄えを絶賛。リリックには作品のキーワードが無数に埋め込まれている。プロデュースは本作の音楽を担当した新鋭、ルードヴィッヒ・ヨーランソン。『ブラックパンサー』(2018)でアカデミー賞に輝き、チャイルディッシュ・ガンビーノ(ドナルド・グローバー)のプロデュースを長年務めてきた才能が、トラヴィスとの初タッグを果たした。, 1970年7月30日生まれ。幼いころから映画制作を開始し、『フォロウィング』(1998)で長編デビュー。『メメント』(2000)の凝った構造とストーリーテリングが世界中で話題を呼び、アカデミー賞脚本賞候補となる。『インソムニア』(2002)を経て、『バットマン ビギンズ』(2004)でDCコミックスの人気ヒーローをスクリーンに甦らせるや、映画ファン&コミックファンからの大きな支持を得た。, 故ヒース・レジャーがジョーカー役を演じた『ダークナイト』(2008)は社会現象的な人気を獲得し、『インセプション』(2010)はノーラン流の知的なコンセプトと娯楽性が融合。『ダークナイト ライジング』(2012)や『インターステラー』(2014)、『ダンケルク』(2017)と作品ごとに新たなジャンルに挑み、そのつど革新的な映像体験を生み出している。, よく特徴として語られるのは、あくなき実写撮影へのこだわりと、『ダークナイト』で初めて劇映画に導入したIMAXカメラでの撮影だ。なるべくCGを使わずに本物で撮る姿勢は、『インセプション』で無重力空間をセット撮影で実現し、『インターステラー』でトウモロコシ畑を一から栽培するという取り組みに至った。本作『TENET テネット』では、本物のボーイング747機をセットに激突させて破壊している。, 前述の通り、ノーランはフィルモグラフィにおいて〈時間〉というテーマに継続して取り組んでおり、『TENET テネット』はその集大成ともいうべき一作。同じテーマを作品を超えて反復し、そのつど深めていくスタイルは本作にも活かされている(詳しくは筆者による劇場用パンフレットでの解説を参照のこと…!)。, THE RIVER編集部。「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。劇場用プログラムや各種媒体への寄稿なども喜んで承りますので、お気軽にお尋ねください。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。, 『TENET テネット』アクションを読み解く ─ 記者会見レポート、時間逆行バトルができるまで, 『TENET テネット』音楽を読み解く ─ 記者会見レポート、『ブラックパンサー』気鋭作曲家の実験とは, 『TENET テネット』キャラクターを読み解く ─ 記者会見レポート、出演者が語るノーラン流の人間ドラマ, 『TENET テネット』物語を読み解く ─ 記者会見レポート、ノーランが語るコンセプトのルーツ, クリストファー・ノーラン、『TENET テネット』公開後のハリウッドに苦言 ─ コロナ禍対応の「言い訳に使われる」, 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』ロックハート先生のご尊顔じっくり ─ 演じたのは『TENET テネット』ケネス・ブラナー、復帰にも意欲, 『TENET テネット』コロナ禍の興行健闘、ワーナーは「満足」 ─ 公開に踏み切った背景、今後の展望, 『TENET テネット』ノーラン監督、日本の映画館に直筆の感謝状 ─ 「グランドシネマサンシャイン」IMAX初動興収、世界第1位を獲得, 『TENET テネット』興行収入20億円突破、『ダークナイト』3部作超え ─ 週末ランキングもNo.1返り咲き, 『君の名は。』ハリウッド実写版、新監督が決定 ─ A24話題作『Minari』リー・アイザック・チョンが就任.

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